独学で東大の教授になってしまった人の話 学び直したい人・勉強ができなかった人への良書。
今回は本の紹介をします。
『東大教授が教える独学勉強法』です。
独学というと、今は読書猿さんの独学大全が分厚くて高額なのに(なんど3000円越え)売れているらしいですね。
そんな中で、分厚くて高額という理由で手を出せない人もいるでしょう。
そんな方には本書はいかかでしょうか。
著者の柳川範之さんは、親の仕事の都合により海外に住むことになったことから、
日本の義務教育を終えたあとは独学だったという経歴の方です。
そんな方が、その独学で東大の経済学部の教授になってしまったのだそうです。
興味わきませんか???
そんなのは元から頭が良かったのだ。
という意見が多いでしょう。
ぼくもそう思います。
理解力や集中力などが他を圧倒していると思います。
ですが、学校を出てしまえば、あとは誰もが独学なのです。
本書を読んで独学についての何らかを知っておくのもいいでしょう。
いきなり勉強してはいけない
目次をめくり、まず飛び込んできたのがこの文章でした。
勉強法の本なのに勉強してはいけないとは、どういうことなのでしょうか??
この分厚い本を一冊読み通す。
三ヶ月の間にここまで理解する。
↑
こんなことはオススメしません。といっています。
いきなり、やるぞおお。と高い目標を立てるのはやめましょうということです。
それよりも大切なことは
自分の理解のパターンや無理のないペースを探すために時間を費やすこと。
少し時間をかけていろんな試行錯誤をする準備期間を持つこと。
その段階でいろんな本に手を出す必要が出てきます。
その本を最後まで読まなくてもいいのです。
最初の10ページでやめてしまってもかまわない。
それよりも、自分に合った本を探すことを目標にすべきなのです。
どんなに評判いい本でも自分に合わなければ捨てちまえ!!!
勉強のコツをつかめ
とにかく長時間勉強するのがいいと考えるのも間違いです。
それはゴルフの練習で例えるならば、
むやみやたらと何百回何千回と打っているのと同じこと。
そうではなく、
「何かコツがあるはずだから、そのコツがどうやったらつかめるのか」を考えながら打った方が結果は出るはず。
考えながら打つ方が効率的です。
それと同じことが勉強にもいえます。
どうやったら理解できるのか、いろいろと考えをめぐらしながら読むことで
勉強のコツをつかむ。
本格的に勉強をはじめる前にまずはうまく自分の勉強のコツをつかむことに、
重点を置いたほうがいい。
東大生の中にはもともと地頭がよくて、何をやっても合格したのだろうと思う人がいることはいるそうです。でも大半はどこかでうまく自分の勉強のコツをつかんだ人だというのが、著者の印象だそうです。
これを読んで、かつて読んだ勉強の本に書いてあったことを思い出しました。
「積み上げ勉強法」とか「階段勉強法」だとかいう名前で紹介されていたものですが。
国家試験などの難関といわれる試験に挑戦する場合に2つのルートがあるというものでした。
まずは通常ルート。
これは試験が得意な人が通るルートです。いきなり難関試験の勉強をはじめましょう。
しかし、勉強で結果を残してこられなかった人はこれはしない方がいい。
別のルートを行け。
それが「積み上げ勉強法」とか「階段勉強法」だとかいう名前で紹介されていたものです。
それは目標とする試験の勉強をすぐにははじめるなというものでした。
そうではなく、より簡単な試験から挑戦する。
例えば、司法試験を目指すならばそれよりは難易度か低い法律系の試験からやってみなさいというものでした。
それによって勝ちグセをつける、というものです。
勝ちグセはコツといいかえてもいいでしょう。
そうやって遠回りをしてでもコツを掴んだほうがいい。
コツをつかむ手段として提示された方法であると考えてもいいでしょう。
独学ならばできる
このコツをつかめないままに自分を否定してしまっている人が多いみたいですね。
学校教育の弊害といえます。
同じ教科書で同じ先生から学ぶ。
それに合わない子供ははじかれてしまう。
でも、ここに文句をいってもしょうがない。
学校というシステム上どうしようもない部分でしょう。
(今後はネット授業の普及で合う先生、合う教材を探すことができるようになってくれることを望みます)
独学ならばできる。
独学ならば、学校教育の弊害はありません。
自分に合う方法を時間をかけて探せばいい。
自分の理解に合わせて自分で学んでいけばそれでいいのです。
そのときに大切なことは、疑問を持って考えながら読むこと。
本というのは、あくまでも読者が自分で考えていくための材料にしか過ぎません。
書かれてあることに対して自分がどう思うか、どう考えるかをぶつけることで
自分の考えを深めていくことができる。
独学だからといってひたすら一人でする必要もありません。
カルチャースクールや大学の講義、SNSで質問してみてもいい。
そういうものを上手に使っていきましょう。
本書には独学についてのヒントがたくさん載っています。
そして、「ゆっくりと自分の道をみつけよう」とうコラムで終わっています。
速いから優れているわけではありません。
大事なことは自分のペースで進むことです。
独学ならばそれができる。
ぼくにとってはとても救いとなる内容でした。
この記事ではぼくが特に重要だと感じたところだけ上げています。
が、他にも「テーマの探し方」「目標の立て方」「資料収集について」などが
本書には書かれています。
独学というもにについて学びたい方は是非読んでみてください。
ホイじゃ、また。