toohiiのお一人様がいい

1人が好きな男がいろいろと吐露します。

クレオパトラの夢 コロナ禍だからこそより楽しめる?

f:id:toohii:20210606160043p:plain

 

今回ご紹介する小説は恩田陸さんの『クレオパトラの夢』です。

 

恩田さん作品の中で、神原恵弥(かんばらめぐみ)シリーズといわれているやつですね。

主人公である神原恵弥は外資製薬会社に所属しており、

「ウイルスハンター」と称される仕事をしています。

 

ですから、この話は「ウイルス」がらみなんですね。

今現在はコロナ禍ですから、「ウイルス」による被害の真っ只中にいるからこその

楽しみ方ができるのではないかと思いました。

 

 

 

 

 

ウイルスハンター 神原恵弥

この神原恵弥という人物、

名前を見たときにはぼくは女性のキャラクターだと思っておりました。

でも違いました。男性です。

頭脳明晰で端正な顔立ちのお方です。

好きなイケメン有名人をイメージしましょう。

そして、その人に女言葉をしゃべらせましょう。

それが、神原恵弥です。

 

なんでも女ばかりの家族で育ったために、話し方が女になってしまったのだそうです。

(このように男なのにに女言葉で話したり、女装趣味があるキャラクタは他の作品でも出てきます。

恩田さんはそういうのが好きなんでしょうね)

家族構成は多忙な高級官僚で留守がちだった父親を除いて、

祖母、母、三人の姉、双子の妹に当たる和見。

これだけ女に囲まれて幼少から育ったのならば、そうなるかなと思いますね。

 

物語は北国で、不倫からはじまります

さて、物語は恵弥の妹である和見に会いに来るところから始まります。

舞台は北国のH市。

雪がちらちらと舞う中で、恵弥は妹と再会します。

 

実はこの妹、妻子ある男性と交際中です。

そう。不倫です。

 

何よっっっっっっっ。この女。許さなあああああい。

とヒステリックな声が聞こえてきそうですが、

あくまでもフィクションですから。

 

でも、小説の中の家族たちも大怒りなんです。

 

若槻慧。この相手の男というのが、一回り以上も年上。

妻とは長年別居状態。

優秀な研究者であり、大学の助教授。

交際中の和見とは同棲をはじめるが、それがスキャンダルとなって、

大学を移ることになり札幌へ。

札幌は彼の生まれ故郷であり、幼馴染である妻の実家もある。

彼の妻子は札幌で暮らしているらしく、これを機にまた夫婦としてまた

と期待をしていたのです。

が。なんと。

和見は彼を追って、札幌へ行ってしまうんですね。

 

和見を連れ戻して来んかああああい!!!(神原家一同)

 

そういうわけで、恵弥がH市にやって来たわけです。

 

ところが、

ところがところがところが。

恵弥は目にします。

 

故 若槻慧博士告別式会場

 

妹の不倫相手はすでに死んでいたのです。

 

若槻慧は札幌市の外れに古い一戸建てを借りていました。

その家にはロフトがあり、彼はそこから落ちて死亡らしく

警察は事故と断定。

 

その彼が残した手帳にはこうありました。

 

『六時に東京駅。M。クレオパトラ

 

さあ。『M』とは『クレオパトラ』とは何なのか!?

 

神原恵弥シリーズ 第一作『MAZE』

この「ウイルスハンター」シリーズは『MAZE』を第一作としてはじまります。

二作めが『クレオパトラの夢』で、三作目が『ブラックベルベット』。

そして、四作目が現在連載中なのだそうです。

 

だから、人気シリーズなんですよ。

 

第一作にあたる『MAZE』は、アジアの西の果ての荒野にいつから建っているのかわからない白い建物を調べるために恵弥が訪れます。

 

それは現地の人が“有り得ぬ場所”と呼ぶもの。

 

一度中に入ると、その人は「消える」。

ただし、絶対ではなく、消えずに戻った人もいる。

何か法則があるのか・・・。

 

とてもワクワクする設定であり、とても楽しく読んだのですが、

その謎に恵弥が出した結論は、

物語の結末は、

 

それについては各々の解釈に分かれる作品ではないかと感じました。

 

感想 ネタバレ

『MAZE』と『クレオパトラの夢』なら、後者が好みですね。

『MAZE』は結論が飛び過ぎかなーーー、と思いました。

色んなジャンルを飛び越える恩田さんだからできることかなとも感じました。

こういう物語だろうと決めつけて読んでしまっては楽しめないでしょうね。

 

クレオパトラの夢』の方は、「ウイルス」というものだけでなく、

「不倫」というものが後で効いてくる構成がすばらしかったですね。

コロナ禍ですから、よりウイルスと人類の戦いについても身近に感じることができました。

コロナで大変だけど、だからこそ特別な楽しみ方ができたかなと思います。

 

他にもあるよ。恩田さんのシリーズ

63冊くらいの小説を出している恩田陸さんですが、

その中にはシリーズものが3つあります。

 

一つは今回紹介した「ウイルスハンター神原恵弥シリーズ」。

「理瀬シリーズ」(これが一番冊数が多い)

「常野物語シリーズ」です。

常野物語シリーズはすでに紹介させていただいております。

 

www.toohii-solo.com

 

www.toohii-solo.com

 

理瀬シリーズもいずれやりますね。

 

ホイじゃ、また。