名刺代わりの小説10選 つづき
前回に引き続きまして、10冊として選んだ小説について書いていきますね。
#名刺代わりの小説10選
— とーひー (@toohii01) 2021年3月15日
新世界より/貴志祐介
蜜蜂と遠雷/恩田陸
1Q84/村上春樹
ジェノサイド/高野和明
ドグラ・マグラ/夢野久作
深泥丘奇談/綾辻行人
容疑者Xの献身/東野圭吾
獣の奏者/上橋菜穂子
香水/パトリック・ジュースキント
ルーティーン/篠田節子
バチカン奇跡調査官/藤木凛
あれ?11人い
ちなみに、上げている順番は順位ではありません。
・ジェノサイド 高野秀明著
タイトル名である「ジェノサイド」とは、国家あるいは民族・人種集団を計画的に破壊することだそうです。
ジェノサイド条約というのがありまして、これは、
このような集団殺害を国際法上の犯罪とし、防止と処罰を定めるための条約です。
そういう言葉がタイトルにされていることからもわかるように、武装集団による残酷な行為や拉致などのシーンも登場します。
ですが。残酷なだけで終わる小説ではありません。
飛び抜けた痛快さが味わえる物語です。ある者の存在によって。
ぼくがこの小説を知ったのは、毎朝聴いていたラジオ番組でした。
書評家の方がオススメの小説を紹介してくれる10分程度のコーナーがあったんです。
その方コーナーを任されるだけのことはあって、話がお上手。
少しだけあらすじを話すのですが、読みたくなる話し方をするんです。
その日もいつものようにあらすじを話はじめました。
この『ジェノサイド』のあらすじです。
が、突如その方話を止め、「いいから読んでくれ」と言ったんです。
あらすじをいうことがもはやもどかしい。四の五の言わずに手に取ってくれよっっっ。
そんな叫びに聞こえる一言でした。
その方がそんな状態になってしまったのが納得のおもしろさでしたね。
知ってる人は知っている日本探偵小説「3大奇書」のひとつ。
“読んだ者は、一度は狂う“
とされている小説ですね。
読んだのは随分と前。大学の2年生のときですかね。
でも、難解で挫折してしまいました。(チャカポコチャカポコまではおもしろかったのですが・・・。)
再度挑戦したのは大学4年生のときです。
没頭しました。
何時間も夢中になって読みました。
そして、読み終わったあと 怖くなったんです。
ソッとしました。
“読んだ者は、一度は狂う“
俺大丈夫????
すぐに友人に電話をしたのを覚えています。
・深泥丘奇談 綾辻行人著
「館シリーズ」が有名で、長年ミステリファンを楽しませているベテランです。
ミステリだけでなく、ホラーも書いています。
綾辻行人作品は8割くらいは読んでいると思いますが、その中でひとつを選ぶならば、ぼくはこの『深泥丘奇談』にしますね。
ホラーの部類の作品ですが、怪談といった方がいい作品だと思います。
(ぼくのイメージでは、ホラーは積極的に怖がらせる。
怪談はぼんやりと怖がらせる)
「続」「続々」とシリーズ作が3冊ある連作短編集です。
特にいいのが、2冊目にあたる『深泥丘奇談・続』。
ぶっ飛んだ内容のものが多いのですが、その中の1本はひっくり返って腹をかかえて笑ってしまいました。
小説を読んであれだけ笑ったのは後にも先にもあの1回です。
・容疑者Xの献身 東野圭吾著
人気のガリレオシリーズのひとつです。
この小説について語るのは野暮かなと思います。
「尊い作品」とだけ言っておきます。
映像化もされていますので、そちらもぜひどうぞ。
原作のすばらしさを損なうことのない出来栄えです。