漫画家の石川雅之さんに興味をもったならこれでもどうですか?
石川雅之という漫画家がいますが、彼が4月にかなり話題にのぼったそうですね。
今知りました。
なんでも「鬼滅の刃」のイラストを描いたり、疫病を鎮めるといわれる妖怪「アマビエ」のイラストを描いたビールが発売されたりしたみたい。
このことで石川雅之という漫画家に興味を持った人もいると思いますので、今回はその作品の一つをご紹介します。
もう6月ですけどね。
2か月近く前ですけどね。
石川雅之さんといえば「もやしもん」という作品で有名になりました。
この作品はアニメにもなりました。
その作品がけっこうよかったので、他の作品も読んでみたくなり手に取ったのが
今回紹介する「週刊 石川雅之」です。短編集です。
2003年の発行になっていますからかなり古いですけど
今読んでみてもおもしろい内容だと思います。
収録作品は11本。
①「彼女の告白」
田舎で暮らす夫婦のもとに子供が帰ってきます。実に3年ぶり。
2人は今か今かと縁側に出て待っています。そこに1台のタクシー。
中から美女が降りてきます。おへそを出したファッション。
「ただいまー」
2人の娘さんのようですね。でも2人はとても驚いている様子です。
わかります。ぼくも田舎に住んでいるので。
都会に出て行った子はファッションが派手になる。しかも3年も経っていればずいぶんと大人になっているものです。
2人は驚きを隠せずオロオロし、でもせっかく帰ってきた我が子のファッションを理解しようとつとめている様子を見せます。
そしてこういいます。
「達彦か? お前」
ええええ!? そういう話いいい!?
田舎を出て行った長男が女になって帰ってきた。この後の展開はどうなる!
②「仮面で踊ろう」
夫の帰りを待つ妻、息子、おばあちゃん。
夕食の支度を済ませ夫の帰りを待ちます。
おばあちゃんはテレビを見ている。仮面の手品師サニー西田。
息子は雑誌を見ている。仮面の怪盗、紳士マスク。
妻はパソコンでたった今来たメールを開く。その内容というのが・・・。
そこに夫からの電話。ハンコを探しておいて欲しい。
どこにあるかわからない妻はおばあちゃんにきくと、あの袋の中かもと。
その袋から出てきたものは「仮面」。
そこから3人の妄想がはじめり。
そこに帰ってきた夫。
妻は仮面を差し出し、それを見てうろたえる夫。
「どうして毎日毎日遅いの」とつめよる妻。
夫は何を語るのか・・。
③「自分を信じた男2」
存在感がない2人の男。店に入っても店員が来ない。
何度読んでも店員が来ない。
わかるわーーーー。ぼくもそうですもん。
いっしょ。いっしょ。
店員さん気づいてくれない。ピンポーン!がない店はキツイ。
目の前にいるのに気づかれない。いるのに平気で陰口をいわれる。
自動ドアだって開かない。
そんなぼくたちは透明人間では?
そんな妄想で話が進みます。
④「ただそれだけで」
これはハートフルものですかねー。
これからのことでちょっと悩んでいる28歳の女の人の話です。
バカバカしい話の中でこんなもの描けるんです。
⑤「趣味の時間」
女の体でどこが好き。「胸」か「足」か。
男4人が大論争。
男なんてこんなことで盛り上がっているのです。
全員そうです。
⑥「WILD BOYS BLUES」
急にハードボイルドな話がはじまります。
主人公はキラージョー。
仇であるタナー兄弟を狙うイケメンの殺し屋。
美女との恋。その美女が捕まった。ジョーは救出に向かう。
酒と煙草と拳銃。シリアスでクールで乾いた空気感。
と。それで終わらないのが石川雅之作品ですよね。
⑦「テレビショウ」
超能力者がその能力を披露し、それが本物かどうかを検証する番組で。
⑧「急げ隼丸」
時代劇。娘である千姫を救い出せと命じられた忍者隼丸。
「急げ」
⑨「フランスの国鳥」
太ったニワトリみたいなのがフランスを夢見る話。
⑩「よかったね」
時代劇。殿から大凧を用意せよとの命。
海岸で凧揚げ大会をして、村村で競わせよう。
最も秀でた村には褒美をとらせる。
ところが、北村の者たちは間違えて「蛸」を用意してしまう。
どうしよう。
勘違いだ。
殿は早く見せろというがいい出せるはずがない。
村長が時間を稼ぐから、他の者は大凧を用意してくれ。
しかし、そんなに早く用意ができるわけもなく、時間だけが過ぎて・・・。
⑪「バス停」
バス停で出会う男女の話。
ぼくのオススメは①と⑥と⑩です。
読んでみて下さい。